入院・治療の流れ、治療後のこと

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合併症について

すべての手術にリスクがあるように、カテーテルアブレーションでも合併症が起きることがあります。しかし、生命の危機に関わるような重篤な合併症は非常に稀であり、その他大部分は数日中に改善します。不整脈の種類によって、起こり得る合併症は異なります。ここでは代表的な合併症について説明します。

■ 血栓・塞栓症(脳梗塞など)

カテーテルなどの身体にとっての異物が血液に触れると、血液が固まり血栓ができやすくなります。また、稀に、カテーテルから空気が血管内に入り込んでしまうことがあります。この血栓や空気が他の臓器へ運ばれ血管を塞いでしまうと(血栓塞栓症、空気塞栓症)、「脳梗塞」や「心筋梗塞」などを引き起こすことがあります。血栓症を予防するため、手術中は抗凝固薬を使いながら治療を行います。

■ 心タンポナーデ

治療中、稀にカテーテルの先端が心臓の壁を傷つけてしまうことがあります。このことを心臓穿孔(せんこう)と呼びます。心臓から出血が起こり、血液が心臓の周囲に溜まると、心臓が圧迫されて十分に拡張できなくなる、心タンポナーデという状態になります。その場合は外科的手術など、適切な処置を緊急に行います。

■ 横隔神経麻痺

呼吸筋の1 つである横隔膜を動かす神経が横隔神経です。右肺静脈の近くにある横隔神経にもアブレーションが影響することがあります。ほとんどの場合、自覚症状はありませんが、呼吸困難感などを感じることもあります。多くは一時的なもので、時間の経過とともに回復します。

■ 肺静脈狭窄

肺静脈の中でアブレーションを行った場合、稀に肺静脈が狭くなったり(肺静脈狭窄)、塞がったり(肺静脈閉塞)してしまうことがあります。血液が正しく流れにくくなり、進行すると心不全に繋がる可能性があるため、ステント留置などが必要になる場合があります。

■ 食道障害

心臓のすぐ後ろには食道が接しています。そのため、アブレーションが食道にも影響を及ぼし、食道に潰瘍などを形成することがあります。

■ 房室ブロック

アブレーションによって、心房から心室への電気信号の伝達が障害されると、房室ブロックと呼ばれる徐脈性不整脈を引き起こします。自然に回復することがほとんどですが、回復しない場合、ペースメーカの植込みが必要になる場合があります。

■ その他

出血、内出血、胸部の不快感、発熱、痛み、吐き気、めまいなどの症状がみられることがあります。大きな内出血が起きて血腫ができると痛みがしばらく続くことがありますが、その他大部分が数日中に改善します。

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