心房細動も心不全も、どちらも心臓の機能異常によって起こる病気です。両者の間には密接な関係があり、心不全患者さんは、そうでない方に比べて心房細動をより起こしやすく、また、心房細動がある心不全患者さんはそうでない方に比べて心不全がより増悪しやすいことが知られています。
さらに、心不全が悪化するほど心房細動になる確率は高くなり、重症度の高い心不全患者さんでは、約半数が心房細動を発症していることが報告されています1。
心房細動のある心不全患者さんの治療は、「心房細動によって心不全が増悪したのか?」もしくは「心不全の増悪によって心房細動が起こったのか?」の両方を確認しながら行われます。
もともと心不全症状がない場合でも、心房細動になり頻脈になってしまうと、頻脈誘発性心筋症という病気になり、結果的に急性心不全になることがあります。特に高血圧により左心室が通常よりも肥大している方や肥大型心筋症と診断された患者さんに多く見られます。
心不全を増悪させないためにはさまざまな心不全治療や日常生活上の注意が必要ですが、心房細動が増悪の一因となっている場合には、心房細動そのものを治療することで、心不全患者さんの予後が良好になる可能性があります。
例えば、薬物療法により心房細動が改善した心不全患者さんでは、改善しなかった患者さんよりも生存期間が延びることが報告されています2。カテーテルアブレーションによる治療を受けた重症心不全患者さんは、薬物療法だけの患者さんよりも、死亡する割合または心不全の増悪で入院する割合が低いことが 報告されています3。
心不全患者さんにとって、薬を正しく、継続して服用することはとても大切です。心不全患者さんに処方されるお薬は、症状や心臓の状態により様々です。処方された薬は、医師や薬剤師の指示通りに正しく服用しましょう。
塩分には、水をからだにためる性質があるため、塩分を摂りすぎると血液量が増えて心臓への負担を増やしてしまいます。また心不全患者さんは特にからだに水分がたまりやすいため、水分自体も必要以上に摂りすぎないことが大切です。水分がたまりすぎていないかを確認する意味でも、こまめに体重を測るようにしましょう。
心臓機能の状態によって運動制限は必要となりますが、過度の制限が逆効果になる場合もあります。医師の指示通りに、適切な運動制限を行うことが大切です。
心不全患者さん向けのより詳しい情報はこちらをご確認ください。
1 CONSENSUS Trial Study Group. N Engl J Med. 1987; 316: 1429-1435.
2 Deedwania PC et al. Circulation. 1998; 98: 2574-2579.
3 Marrouche NF et al. N Engl J Med. 2018; 378: 417-427.
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