知っているから選択できる
心房細動に対する薬物治療では、抗不整脈薬という薬が用いられます。抗不整脈薬の作用は「リズムコントロール」と「レートコントロール」の2つに大別されます。リズムコントロールは心房筋に作用して異常な興奮を抑え、拍動を正常に戻すことを目的としています。
レートコントロールは、心室に伝わる電気信号を減らして心拍数を抑えることで症状を和らげる作用があります。
心房細動では、心房内の血液の流れが滞ることで血のかたまり(血栓)ができやすくなります。血栓が脳の血管を詰まらせることで重篤な脳梗塞を引き起こす可能性があり、これを防ぐために抗凝固薬という薬が処方されることがあります。心房細動と診断されたらまずは血栓予防を考慮することが重要です。
脳梗塞になる危険度を表したCHADS2チャズツースコアという指標に応じて、抗凝固療法の方針が決まります。CHADS2は、心不全、高血圧、年齢、糖尿病、脳梗塞の頭文字を表したもので、点数が高い人ほど脳梗塞が起こりやすいと言われています。(図)
危険因子 | スコア | ||
---|---|---|---|
C | Congestive heart failure / LVdysfunction | 心不全、左室機能不全 | 1 |
H | Hypertension | 高血圧 | 1 |
A | Age ≧ 75y | 75 歳以上 | 1 |
D | Diabetes mellitus | 糖尿病 | 1 |
S2 | Stroke / TIA | 脳梗塞、TIA の既往 | 2 |
合計 | 0~6 |
TIA:一過性脳虚血発作
これまで抗凝固療法には長い間ワーファリンという薬が広く使われてきましたが、最近ではNOAC(ノアック)もしくはDOAC(ドアック)と呼ばれる新しい種類の抗凝固薬も広まってきています。NOAC もしくはDOAC は、日本では2011 年に発売されました。これまでの薬と違い、食事制限をする必要がなく、脳出血のような副作用が少ないという利点がある一方、値段が高いなどのデメリットもあります。
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