CRYO-Japan PMS
試験デザイン
目的
Arctic Front Advance™ 冷凍アブレーションカテーテルの有効性・安全性と、手技時間・透視時間などの手技関連指標を評価すること。
解析項目
- ■ 有効性
- – 急性期成功率*(n=607)
- – 6か月の治療成功率**(n=328)
- ■ 安全性(n=616)
- – 製品に関連する有害事象
- – 手技に関連する有害事象
- ■ 手技関連時間(n=607)
- – 平均手技関連時間
- – 経験回数別の手技関連時間
- *急性期成功の定義:
4 本の肺静脈の電気的隔離を、Entrance ブロック、またはExit ブロック、またはその両方で確認できること。
- **6か月の治療不成功の定義:
ブランキング期間外のAF再発と、ブランキング期間中も含めた再アブレーションの実施。なお、6か月フォローアップ期間中の不整脈の診断方法は、医師の判断による。24時間ホルター心電図検査、12誘導心電図検査の実施、または症状の発現等に基づく。
患者フローチャート
急性期の有効性評価対象者数は607名、6か月フォローアップ実施者は328名であった。
患者背景
試験結果
有効性:急性期成功率
急性期成功率は、患者数ベースで99.8%(606/607)であった。
- ■ クライオバルーンのみの肺静脈隔離成功率は、患者数ベースで84.0%、肺静脈数ベースで95.4%であった。
- ■ タッチアップを実施しても肺静脈隔離を達成できなかったのは、1症例であった。
有効性:6か月の治療成績
- ■ 6か月の治療成功率(AF非再発率)は88.4%であった。
- ■ 33症例でブランキング期間後にAF再発。
- ■ 1症例でブランキング期間中に再アブレーションを実施。
AF非再発のカプラン・マイヤー曲線(n=328)
安全性:主な有害事象の発生件数
報告された全ての有害事象は、安全性評価委員会により製品/手技との関連性が評価された。
- 1. 肺静脈狭窄1例では、一つまたはそれ以上の肺静脈で、肺静脈径の30%減少が見られた。
この症例は重篤ではなく無症候性であった。
- 2. 死亡症例は、製品との関連なし、手技との関連ありと評価された。
(アブレーション後の炎症反応が間質性肺炎を悪化させ、それが死亡につながった可能性がある、と評価された。)
手技関連時間
各施設において、クライオバルーンアブレーションの経験が蓄積されるに従い、手技関連時間がいずれも有意に短縮された。これにより、クライオバルーンアブレーションのラーニングカーブがRFよりも短いことが示唆された。
平均手技関連時間(n=607)
経験回数別の手技関連時間(n=607)
文献
Okumura K, et al. Circ J. 2016 Jul 25; 80(8): 1744-1749.