臨床試験結果

冷凍アブレーションに関する臨床試験結果のご紹介

FIRE AND ICE

FIRE AND ICE

試験デザイン

目的

薬剤抵抗性の症候性発作性心房細動の患者に対して、クライオバルーンアブレーションとRFアブレーションの有効性と安全性を比較すること。

被験者の特徴

  • ■ 被験者:762例(1:1で割り付け、8か国16施設で実施)
  • ■ 登録基準:
    • – 薬剤抵抗性の症候性発作性心房細動(2 回以上症状が出現、かつ12ヶ月以内に1回以上症状が確認されている。)
    • – 1剤以上の抗不整脈薬(クラスⅠあるいはクラスⅢ)が無効であることが確認されている。
    • – 18 歳以上、75歳以下
  • ■ 除外基準:
    • – LA 径:55mmを超過
    • – EF:35%未満
    • – LA 内のアブレーション、あるいは外科手術の実施
    • – PCIやMIを3か月以内に実施
    • – 脳卒中 / 一過性脳虚血発作を6か月以内に発症

有効性評価項目

AF/AT/AFL の再発(AF>30 秒より長く持続)、抗不整脈薬の処方、あるいは再アブレーションを手技の不成功と定義。3か月間のブランキング期間中に発生したイベントは、手技の不成功とはみなさない。

安全性評価項目

死亡、脳卒中、一過性脳虚血発作、重篤な有害事象(e.g.橫隔神経麻痺、食道瘻など)

副次的評価項目

  • ■ 手技時間、透視時間
  • ■ 心疾患イベント起因の再入院、再アブレーション、DCCV

報告方法

  • ■ 参加施設はすべての再入院及び再治療介入を報告する。
    • – 再入院の定義:アブレーション後48 時間以上の延長入院、あるいはアブレーション直後ではないタイミングでの1暦日以上の入院
  • ■ QOLの評価方法:SF-12* およびEQ-5D-3L** という評価ツールを用いて6か月毎に評価する。
  •  *患者の精神的 / 身体的な健康状態について知るための12 項目からなるアンケート
  •  **人々の健康状態、移動の程度、皆利回りの管理について知るための5 項目からなるアンケート

試験結果

主要評価項目:有効性

クライオバルーンアブレーション群の有効性は、RFアブレーション群と比較して非劣勢であった。

主要有効性評価項目(手技の不成功率)のカプラン・マイヤー曲線

主要有効性評価項目(手技の不成功率)のカプラン・マイヤー曲線
主要有効性評価項目(手技の不成功率)のカプラン・マイヤー曲線

主要評価項目:安全性

手技関連の重篤な有害事象の発生率に、両群で統計的有意差はなかった。

手技に関連した主な重篤な有害事象

FIRE AND ICE

再入院率、再アブレーション実施率、DCCV実施率

クライオバルーンアブレーション群はRFアブレーション群と比較して、再入院率、再アブレーション実施率、DCCV実施率が有意に低かった(P<0.05)。

すべての原因による入院回避率

すべての原因による入院回避率

心血管イベント起因による入院回避率

心血管イベント起因による入院回避率

再アブレーション非実施率

再アブレーション非実施率

DCCV非実施率

DCCV非実施率

文献

Kuck KH, et al.N Engl J Med. 2016; 374(23): 2235-2245.
Furnkranz A, et al. J Cardiovasc Electrophysiol. 2014; 25: 1314-1320.
Kuck KH, et al. Eur Heart J. 2016; Oct 7; 37(38): 2858-2865.

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