知っているから安心できる
不整脈とは、心臓の電気信号が正常に伝達されなくなり、心臓の拍動が不規則になることをいいます。
一概に不整脈とはいっても、たくさんの種類があります。自覚症状も、自分では全く気が付かず健康診断で初めて指摘されるような場合から、日常生活に差し支えがあるような場合まで様々です。心拍が異常に多くなるタイプの不整脈では、動悸や息切れ、めまいなどの症状が現れます。一方、心拍が極端に少なくなるタイプの不整脈では、めまい、ふらつき、心拍出量低下による倦怠感などが起こります。治療の必要が無い場合もありますが、ひどくなると血圧が低下して失神やショックを起こしたり、突然死につながる危険性もあり、そのような場合は早期の治療が必要になります。
西湘病院 脳神経外科 部長 竹内昌孝先生
心臓の役割は、全身に絶え間なく血液を送るポンプの役割です。心房細動を持病にもつと、心臓内の血液の流れが不規則になり、血液がとどこおることがあります。その結果、心臓内に血のかたまり(血栓)ができやすくなります。心臓内にできた血のかたまりが脳に飛ぶと、脳血管を閉塞させる脳梗塞(心原性脳梗塞)を引き起こします。
脳梗塞になると、脳の血管が細くなったり、詰まったりすることで、脳に十分な酸素や栄養がいかなくなり、脳細胞の働きを失います。その結果、運動障害、言語障害など日常生活に大きく支障をきたします。
脳梗塞のうち、高血圧、糖尿病、高脂血症などの動脈硬化が引き金となるラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞は、早期に治療・リハビリテーションをすることで、機能回復が期待できます。
心房細動による脳梗塞は、脳の太い血管を閉塞させ、50%以上が死亡、または歩行機能が回復せず、寝たきりの状態になってしまいます。
心房細動の治療には、脈の乱れを起こしにくくする薬物療法とカテーテルによるアブレーション(焼灼)治療があります。それらによって心臓内に血のかたまりが発生することを予防します。心房細動と診断された場合は、循環器専門医あるいは不整脈専門医への受診をお勧めします。
奥村謙、目時典文、萩井譲士.心電図 2011;31:292-296
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